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仕事・旅行・運動―治療中でも「やっても大丈夫なこと」を増やしていくには?

仕事・旅行・運動―治療中でも「やっても大丈夫なこと」を増やしていくには?

がん治療が始まると、「仕事は休んだ方がいい?」「旅行はしばらく無理?」「運動しても大丈夫?」と、今まで普通にしていたことまで気になることがあります。

でも、治療中だからといって、生活のすべてが一律に禁止になるわけではありません。例えば、抗がん剤治療中でも、普通に仕事へ行ける日もあれば、体調を優先したい日もあります。手術後でも、回復に合わせてできることは少しずつ増えていきます。
大切なのは「やっていい?ダメ?」だけではなく、「どうすればできる?」と考えてみることです。

仕事は「続ける・休む」の二択ではない

がんになったら仕事を休まなければならない、というわけではありません。現在では通院しながら治療を受けることも多く、治療と仕事を両立している人もいます。

もちろん、これまでとまったく同じ働き方が難しくなることはあります。治療のために平日の通院が必要になったり、疲れやすくなったり、手術後しばらく重いものを持てなかったりすることもあります。

そんなときも、「仕事を続けるか辞めるか」だけが選択肢ではありません。
勤務時間を短くする、時差出勤を使う、在宅勤務にする、一時的に仕事内容を変える、通院日に休暇を使うなど、仕事の方を治療に合わせる方法もあります。

厚生労働省も治療と仕事の両立を支援するための指針や制度を整備しており、2026年度からは事業主にとっても治療と仕事の両立支援が努力義務になっています。

旅行も「治療中だから禁止」とは限らない

旅行についても、「がん治療中」というだけで一律に行けないわけではありません。
近場への日帰り旅行と海外への長距離旅行では条件が違いますし、治療の種類や体調によっても変わります。治療の合間に旅行できる人もいれば、時期をずらした方がいい場合もあります。

そこで考えたいのが、旅行そのものを諦める前に、条件を変えられないかということです。
海外旅行を国内旅行にする、長距離旅行を近場の1泊にする、観光予定を詰め込みすぎない、治療スケジュールに合わせて日程を決める。こうした変更だけで現実的になる旅行もあります。

飛行機での長距離移動、手術直後、薬の保管が必要な場合などは個別に確認した方がよいことがありますが、「治療中だから旅行は全部ダメ」と最初から決める必要はありません。

運動は、むしろ治療中にも勧められている

運動は少し事情が違います。
以前は「がん治療中はなるべく安静に」というイメージもありましたが、現在では、体の状態に合わせた運動は治療中にも勧められています。
ASCO(米国臨床腫瘍学会)のガイドラインでも、治療中の有酸素運動や筋力トレーニングは、疲労を軽減したり、心肺機能や身体機能、筋力を維持したりすることに役立つとされています。

もちろん「治療中でもどんどん激しい運動をした方がいい」という意味ではありません。
治療前と同じ運動がきつければ歩く時間を短くする。筋トレの負荷を軽くする。体調が悪い日は休む。手術後なら、傷や手術した部位の状態に合わせて動きを戻していく。
ここでも「運動する・しない」の二択ではなく、今の体に合わせて運動の方を変えるという考え方ができます。

「できない」を「条件を変えればできる」に

治療中の生活では、以前とまったく同じようにはできないこともあります。

でも、
「旅行は無理」ではなく、「近場ならどうだろう」。
「仕事は無理」ではなく、「週3日ならどうだろう」。
「運動できない」ではなく、「10分歩くならどうだろう」。

そんなふうに条件を変えると、選択肢が残ることがあります。

一方で、治療内容や体の状態によって、本当に控えた方がいいこともあります。そんなときに役立つのが、「やっていいですか?」だけでなく、もう少し具体的に聞いてみることです。
たとえば「来月、片道2時間くらいの場所へ1泊旅行したい」「仕事で1日6時間ほど立つ」「週末に30分くらいウォーキングしたい」。何をしたいのかが具体的になると、医療者側も治療スケジュールや体の状態と照らし合わせて考えやすくなります。

治療だけの生活にしないために

治療中は、検査や通院の予定が生活の中心になりやすい時期です。でも、その期間にも仕事をしたり、出かけたり、好きなことをしたりする時間はあります。
すべてを治療前と同じように続ける必要はありません。でも、すべてを治療が終わるまで延期しなければならないとも限りません。

「できる・できない」だけで考えず、時期、時間、距離、負荷を変えてみる。
それだけで、治療中にも残せる日常は意外とあるかもしれません。

キャンエビのまとめ

  • がん治療中でも、仕事・旅行・運動が一律に禁止されるわけではない。
  • 仕事は勤務時間や仕事内容を変えることで続けられる場合がある。
  • 旅行は距離や日程、過ごし方を変えることで実現できる場合がある。
  • 運動は治療中にも勧められており、体調に合わせて強度や時間を調整する。
  • 「やっていい?」だけでなく、「この条件ならできる?」と考えると選択肢を探しやすくなる。

参考文献

  1. 治療と仕事の両立について|厚生労働省(公的資料)
  2. 感染症について – 国立がん研究センター(患者向け)(医療機関の患者向け案内)
  3. がんと仕事:働き方を考える – 国立がん研究センター がん情報サービス(ganjoho)(公的な患者向け情報)
  4. がん患者の運動療法に関するガイドライン(日本癌治療学会関連情報)(診療ガイドライン)
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