がん治療中に運動を始めても、疲れや副作用、通院などで、思うように続けられない時期があります。「半年を過ぎるとやめる人が増える」という記事やSNSを見たりして、自分もそうなるのかな?と気になる人もいるでしょう。
研究には、運動量が時間とともに減ったという報告があります。ただし、研究結果だけから「半年後を境に、みんなが運動をやめ始める」とは言えません。
大切なのは、ずっと同じ量を続けることより、体調が変わったときに運動を調整できること。この記事では、続けにくくなる理由と、休んだあとに再開する工夫を考えます。
半年後から運動量は減る傾向がある?
運動を支援するプログラムの効果は、終了後もしばらく続く場合があります。一方で、時間がたつと効果が小さくなるという研究もあります。これは「参加した人が半年後に運動をやめた」という意味ではありません。
ただ、「6か月後の活動量が減っていた」ことと、「6か月を過ぎたところから減り始めた」ことは別です。研究によっても、調べているのが治療中か治療後か、運動した時間なのかプログラムへの参加なのかが異なります。
今分かるのは、始めた運動を長く続けるのが難しい人もいるということ。「半年後に必ず続かなくなる」と決まっているわけではありません。
運動を続けにくくなるのはなぜ?
疲れや吐き気、痛みなどがある日は、運動するつもりでも難しくなることがあります。体調がよい日が続いたあとに、治療や検査の予定が入って、いつものペースが崩れることもあります。
仕事や家事との両立のほか、運動プログラムが終わったり、相談できる人との接点が減ったりすることも、続けにくさに関わります。
運動が途切れたからといって、意志が弱いわけではありません。そのときの体調や生活に、以前の目標が合わなくなった可能性もあります。
運動を休んだあと、どう再開する?
休んだ日があっても、最初からやり直しではありません。体調が落ち着いたら、以前と同じ量に戻そうとせず、その日に無理なくできる動きから考えられます。
例えば、長い散歩の代わりに短く歩く、外へ出るのが負担なら家の中で軽く体を動かすなど、方法を変えても構いません。調子が悪い日は休み、また動ける日に再開する。そんな続け方もあります。
一人では調整しにくい場合は、担当医や看護師に相談し、必要に応じて理学療法士などにつないでもらえます。発熱や強いめまい、息苦しさなどがあるときは運動を控え、医療者に連絡してください。
キャンエビのまとめ
- 運動プログラムで増えた活動の効果が、時間とともに小さくなるという報告があります。
- 疲れや副作用、通院、仕事や家事など、続けにくくなる理由はさまざまです。運動が途切れても、意志の弱さとは限りません。休んだあとに以前と同じ量へ戻す必要はありません。
- 体調に合わせて短い動きから再開する方法もあります。
参考文献
- Exercise, Diet, and Weight Management During Cancer Treatment: ASCO Guideline(診療ガイドライン、2022-09-01)
- Patient attitudes and experiences towards exercise during oncological treatment. A qualitative systematic review(系統的レビュー、2024-02-02)
- Long-term effects of exercise interventions on physical activity in breast cancer patients: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials(系統的レビュー、2022-02-15)
- Factors Influencing Physical Activity in Cancer Patients During Oncological Treatments: A Qualitative Study(質的研究、2020-07-15)
- Systematic review and meta-analysis of maintenance of physical activity behaviour change in cancer survivors(系統的レビュー、2019-05-15)
体調が気になるときは:発熱や強いめまいがある日は、運動を休んで担当の医療者に相談してください。運動中に息苦しさや胸の痛みが出た場合は、すぐにやめて医療機関に連絡してください。運動の始め方や再開の仕方に迷うときも、診察で相談できます。








