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一人暮らしで治療を始める前に準備しておくこと

一人暮らしで治療を始める前に準備しておくこと

一人暮らしでがん治療を始めるとき、「具合が悪くなったら、一人で大丈夫かな」と心配になる人もいるかもしれません。でも、治療前から大量の食料や副作用対策グッズを買い込む必要はありません。副作用の種類や出るタイミングは治療によって違いますし、思っていたより普段どおり過ごせることもあります。

先に準備しておきたいのは、「体調が悪い日は、何もしなくても生活が回る状態」です。元気なうちに、少しだけ逃げ道を作っておきましょう。

「何もしなくていい日」の食べ物を用意しておく

治療後に疲れたり、食欲が落ちたりした日に、一から料理するのはなかなか大変です。数日分くらい、「温めるだけ」「開けるだけ」で食べられるものがあると助かります。冷凍ご飯や冷凍うどん、冷凍のおかず、レトルト食品、スープ、缶詰、パンなど、自分が普段から食べ慣れているもので十分です。水やお茶など、飲みやすいものも少し余裕を持って置いておくといいでしょう。

ただし、治療前から「がん患者向けの特別な食品」を大量に買う必要はありません。治療が始まってから味覚の変化や口内炎、吐き気などが出た場合は、そのとき食べやすいものを探していけば大丈夫です。「体に良いものを完璧に食べる」より、「今日は料理しなくても食べられる」ことを優先する日があっても大丈夫です。

買い物に行けない日の解決策をひとつ用意しておく

食料やトイレットペーパーがなくなった日に限って、外へ出る元気がない。そんなこともあり得ます。ネットスーパーや食料品の宅配を使える地域なら、治療が始まる前に一度登録しておくと便利です。普段は使わなくても、「必要になったら使える」という状態にしておくだけでも違います。

初めて使うサービスは、体調が悪い日に住所や支払い方法を登録するだけでも面倒です。元気なうちに一度注文して、どのようにに届くのか、置き配できるのかなどを確認しておくと安心です。ネットスーパー以外にも、家族や友人に頼む、利用できる配送サービスを探しておくなど、方法はいくつかあります。買い物へ行く以外の選択肢をひとつ持っておくことがポイントです。

家事は「できるようにする」より「しなくていいようにする」

一人暮らしでは、自分が休むと家事も止まります。でも、数日掃除をしなくても大丈夫です。洗濯物が少したまっても大丈夫。料理できない日は冷凍食品でもいいし、洗い物を減らすために紙皿や使い捨て容器を使う方法もあります。

治療前に考えておきたいのは、「体調が悪くても家事をこなす方法」ではなく、「体調が悪い日は家事をしなくても困らない方法」です。必要であれば、配食や家事代行などの民間サービスを使う方法もありますが、最初から契約する必要はありません。「いざとなったらこんなサービスが使える」と調べておくだけでも十分です。

通院できないほど疲れた日の「第二ルート」を考える

普段は電車やバスで通院できても、治療後や体調が悪い日は駅まで歩くこと自体がつらくなるかもしれません。そんな日に備えて、病院までタクシーならどのくらいかかるのか、配車アプリが使えるかなどを一度確認しておくと安心です。

普段からタクシーを使う必要はありません。「いつもの方法が無理だったら、次はこれ」という第二ルートが分かっていれば十分です。また、予約日に体調が悪くて通院できそうにない場合、無理に病院へ向かうのではなく、まずどこへ連絡すればよいのかも確認しておきましょう。

病院の連絡先は、すぐ見つかる場所へ

治療が始まると、病院から「このような症状が出たら連絡してください」と説明を受けることがあります。その基準は治療内容によって違うため、インターネットで一般的な数字を覚えるより、自分の病院から説明された連絡基準を確認することが大切です。

病院の連絡先や治療についての説明書は、具合が悪いときでもすぐ見つけられる場所に置いておきましょう。スマホの連絡先に登録しておく方法もあります。体調が悪くなってから「あれ、どこに電話するんだっけ?」と書類の山を探さなくて済むだけでも、かなり違います。

できれば一人だけでも、治療日を知らせておく

家族や友人など、連絡できる人がいるなら、「○日に治療があるよ」と誰か一人だけにでも伝えておくと安心です。毎回付き添ってもらったり、細かく体調を報告したりする必要はありません。治療後に「帰ったよ」とメッセージを送る、翌日に一度連絡を取り合う、といった簡単な方法でも構いません。

近くに頼れる人がいない場合もあります。その場合でも、「一人暮らしだから全部一人で解決しなければならない」ということではありません。

困ったら、がん相談支援センターにも相談できる

「家族が近くにいない」「通院や買い物が心配」「治療しながら生活をどう回したらいいのか分からない」。そんな生活上の困りごとも、がん相談支援センターに相談できます。

がん相談支援センターは、全国のがん診療連携拠点病院などに設置されており、その病院に通院していない人でも無料で相談できます。治療についてだけでなく、仕事やお金、療養生活などについても相談できます。

自治体によっては配食や生活支援などのサービスがある場合もありますが、対象となる年齢や条件などは地域によって異なります。自分が利用できる制度が分からない場合も、まず相談窓口で「一人暮らしで治療を始めるので、生活面が心配」と伝えてみるといいでしょう。

副作用対策グッズは、治療が分かってからでも遅くない

治療前になると、「これも必要かも」「あれも買っておいた方がいいかも」と、いろいろ準備したくなるかもしれません。でも、必要なものは治療内容によってかなり違います。

治療について説明を受けたら、「家で準備しておいた方がいいものはありますか?」と医師や看護師、薬剤師に聞いてみましょう。実際に治療が始まり、自分にどんな副作用が出るのか分かってから追加するものがあっても構いません。治療前に家を「完全装備」にする必要はありません。

キャンエビのまとめ

  • 治療前に全部を完璧に準備する必要はありません。まずは「体調が悪い日に何もしなくても困らない状態」を少し作っておきましょう。
  • 温めるだけ・開けるだけで食べられるものや飲み物を、数日分くらい用意しておくと安心です。
  • ネットスーパーや宅配、タクシーなど、普段の方法が使えない日の「第二の方法」をひとつ用意しておくと役立ちます。
  • 家事は「体調が悪くても頑張る」のではなく、数日しなくても困らない工夫を考えておきましょう。
  • 病院の連絡先や「どんな症状のときに連絡するか」は、すぐ確認できる場所に置いておきましょう。
  • 頼れる人がいるなら、一人だけでも治療日を知らせておく方法があります。身近に頼れる人がいない場合は、がん相談支援センターなどに生活面の相談もできます。
  • 副作用対策用品は最初から大量に買わず、治療内容や実際の体調に合わせて追加していけば大丈夫です。

一人暮らしで治療を始める準備は、「何でも一人でできるようにしておくこと」ではありません。できない日があっても生活が回るようにしておくこと。 それくらいの準備から始めてみてください。

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