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がんの治療中に運動しても大丈夫?

がんの治療中に運動しても大丈夫?

はい。多くのがん患者さんは、治療や体調に合わせて短時間で負荷の低い運動(散歩や軽い筋トレ、ストレッチ、バランス訓練など)を段階的に始めることが可能で、がん関連疲労の軽減や体力・筋力の維持、睡眠や気分の改善といった利益が期待できます。

ただし、発熱や感染症、強い貧血、血小板の著しい低下、手術直後などでは、運動を休んだ方がよい場合があります。骨転移がある場合も一律に運動できないわけではありませんが、骨折のリスクや転移した部位に応じて避けた方がよい動作があるため、主治医やリハビリ専門職に確認します。

治療中でも、体調に合わせて運動できることがあります

運動はがんを直接『治す』治療ではありませんが、多くのガイドラインと系統的レビューは、治療中でも個別に調整した身体活動が疲労の軽減、体力・筋力の維持、睡眠や気分の改善に役立つと示しています(参考:ASCO、ACS、国立がん研究センター、コクランレビュー)。

多くの場合は短時間で負荷の低い運動から始めることが推奨されます。まずは数分から始め、体調に合わせて徐々に増やすことを出発点にしてください。目安の一つとして5~10分程度が参考になる場合もありますが、個々の状況で差があるため主治医やリハビリ専門職と相談することが大切です。

重要な注意点として、発熱・感染症、重度の貧血、著しい血小板低下、手術直後、骨転移などの状況では運動を控えるか主治医と相談してください。

ここが要点

多くの場合、治療中でも体調に合わせた運動を続けることができ、疲労の軽減や体力・筋力の維持が期待できます。

まずは短時間の軽い運動から始められます

症状が落ち着いているときは、数分から始める短時間で負荷の低い運動がおすすめです。家の中のゆっくりした歩行や段差を使わない移動、立ち上がりの練習など、日常動作を意識するだけでも効果があります。つらければ数回に分けて合計時間を増やして構いません。

椅子を使った簡単な筋力トレーニング(椅子からの立ち上がりをゆっくり行う、足の伸展、抵抗バンドでの肘の屈曲など)や、肩回し・足首回し・片足立ち(支えあり)といったストレッチ・バランス訓練を日常に取り入れてください。

頻度は『毎日少しずつ』でも良く、週の合計時間に固執せず『今日は無理なく何ができるか』を優先してください。治療日の直後や副作用が強い日は休むことも大事です。

  • 短時間の有酸素:家の中の歩行やゆっくりの外歩き(まずは数分から)
  • 軽い筋力トレ:椅子からの立ち上がり、足の伸ばし、抵抗バンドでの簡単な運動(無理のない回数から)
  • ストレッチ・バランス:肩回し、足首回し、片足立ち(支えあり)を数分

ここが要点

運動はまとめて行う必要はありません。体調のよい時間に、数分ずつ行う方法でも構いません。

運動を始める前に確認しておきたいこと

運動を始める前に主治医や理学療法士(リハビリ専門職)と次の点を確認してください。検査値や治療のタイミング、転移の有無などで安全度や許容強度が変わります。施設によって対応が異なるため、個別の指示に従うことが大切です。

不明な点は遠慮なく書き出して持参し、担当者と一緒に確認してください。

  • 現在の治療(化学療法の周期、放射線、手術の時期、免疫療法など)と、運動を増やして良い時期かどうか
  • 最近の検査値(ヘモグロビン、血小板数、白血球/好中球など)について、運動の可否や強度に影響するかどうかを確認すること(具体的カットオフは診療状況で異なります)
  • 骨転移の有無と骨折リスク、転移部位で避ける動作(衝撃・ねじりなど)
  • リンパ浮腫、末梢神経障害、点滴ポート・ストーマなどの有無と、保護・回避すべき運動についての指示
  • 手術直後・入院中の具体的な休止期間や開始基準(施設の指示)

体調が悪い日は休み、気になる症状があれば相談を

運動中や運動後に次のような症状が出たら直ちに中止し、主治医や受診可能な医療機関に連絡してください。重大な症状が疑われる場合は速やかに受診してください。これらはガイドラインでも中止と相談が推奨されているサインです。

発熱や明らかな感染症状、著しい出血傾向、脱水などがあるときは運動を避け、先に医療機関での評価を受けてください。

  • 胸痛、激しい息切れ、意識消失や失神の前兆
  • 急激で強いめまい、激しい突然の痛み(特に骨転移部位)
  • 発熱や明らかな感染症状、脱水症状
  • 皮下出血や血尿・血便などの明らかな出血、歯や鼻の出血が続く場合

キャンエビのまとめ

  • 多くの場合、がんの治療中でも、体調に合わせて運動することができます。
  • 散歩や軽い筋力トレーニングなどは、疲労の軽減や体力・筋力の維持、睡眠や気分の改善に役立つ可能性があります。
  • 長時間まとめて行う必要はなく、体調のよい時間に数分ずつ行う方法でも構いません。
  • 発熱や強い貧血、手術直後などでは、運動を休んだ方がよいことがあります。
  • 骨転移やリンパ浮腫、末梢神経障害などがある場合は、避けた方がよい動作や自分に合った運動について、主治医やリハビリ専門職に確認すると安心です。

参考文献

  1. がんサバイバーシップガイドライン 身体活動・運動編(診療ガイドライン、2024)
  2. Exercise, Diet, and Weight Management During Cancer Treatment: ASCO Guideline(診療ガイドライン、2022-05-16)
  3. American Cancer Society: Nutrition and Physical Activity Guidelines for Cancer Survivors (2022)(診療ガイドライン、2022-02-16)
  4. Exercise for the management of cancer-related fatigue in adults (Cochrane Review, 2021)(系統的レビュー、2021-09-02)

ご注意

この記事では、がんの治療中に行う運動について一般的な考え方を紹介しています。適した運動の種類や強さは、治療内容、体調、手術の時期、骨転移や合併症の有無などによって異なります。運動について気になることがある場合は、主治医や看護師、リハビリ専門職にご相談ください。

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