手術室で麻酔が始まり、気づいたら手術は終了。でも目を開けてみると、顔には酸素マスク、腕には点滴、胸には何かのシール、足には見慣れない機械……。「こんなにいろいろついているの?」と驚くかもしれません。
手術直後は、体の状態を確認したり、薬を入れたり、体液を外へ出したりするため、いくつかの管や機器がついています。何がつけられるかは手術の種類や体の状態によって違いますが、よく使われるものを見てみましょう。
顔には酸素マスク、腕には点滴
目が覚めたとき、まず気づきやすいのが酸素マスクや鼻から酸素を送るチューブです。麻酔から覚めた直後は呼吸の状態を確認しながら、必要に応じて酸素が投与されます。
腕や手には、手術前や手術中から使っていた点滴がそのまま残っていることもあります。術後の水分や薬、痛み止めなどを入れるために使われます。
胸には心電図の電極、腕には血圧計、指には血液中の酸素の状態を見るパルスオキシメーターなどがついていることもあります。麻酔から十分に回復しているかを確認するため、しばらく血圧や脈拍、呼吸、酸素の状態などを観察します。
「この管は何?」尿道カテーテルやドレーンがついていることも
手術によっては、目が覚めると尿道カテーテルが入っていることがあります。尿を体の外へ流すための管で、手術中や術後に自分でトイレへ行けない間の排尿管理や、尿量の確認などに使われます。
もうひとつ見慣れないのが「ドレーン」です。手術した場所の近くなどから細い管が出て、袋や容器につながっています。手術した部分にたまる血液や体液などを体の外へ出すためのものです。
ドレーンも尿道カテーテルも、すべての手術で使われるわけではありません。いつ外すかも手術の種類や術後の状態によって変わります。
足に見慣れない機械がついていることもある
手術後に目が覚めると、足やふくらはぎに機械につながったカバーのようなものがついていることがあります。これは「間欠的空気圧迫装置」などと呼ばれ、空気で脚を繰り返し圧迫して血流を促し、血栓ができるのを防ぐために使われます。
手術前に弾性ストッキングを履いている場合は、その上から装置がついていることもあります。どちらを使うか、いつまで使うかは手術内容や血栓のリスクなどによって異なります。
のどに管は残っている?
全身麻酔では、手術中の呼吸を助けるために気管へチューブを入れることがあります。多くの場合は、手術が終わって自分で十分に呼吸できることなどを確認してからチューブを抜きます。
そのため、目が覚めたときにはチューブがすでに抜かれていることも多い一方、手術内容や全身状態によっては、呼吸を補助するためにチューブを残したまま管理することもあります。
チューブが抜けた後でも、のどがヒリヒリしたり、声がかすれたり、声を出しにくく感じたりすることがあります。
管だけじゃない。寒い、ぼんやりする、気持ち悪いことも
麻酔から覚めた直後は、まだ頭がぼんやりしていたり、強い眠気が残っていたりすることがあります。寒さや震え、手術した場所の痛み、吐き気などが出ることもあります。
「目が覚めたらすぐ普段どおり」というより、スタッフが呼吸や血圧などを確認しながら、少しずつ麻酔から回復していく時間があります。状態によっては病室へ戻る前に回復室で過ごしたり、ICUなどで管理されたりすることもあります。
「管だらけ」に見えても、全部がずっとついているわけではない
手術直後はいくつもの管や機器がついているため、思っていたより大がかりな姿になっていることがあります。でも、それぞれには術後の体を観察したり、回復を助けたりする役割があります。
また、すべての人にここで紹介したものが全部つくわけではありません。手術の種類や麻酔方法、術後の状態によって必要なものは変わり、回復に合わせて少しずつ外れていきます。
キャンエビのまとめ
- 手術後は酸素マスクや鼻のチューブ、点滴、心電図などのモニターがついていることがあります。
- 手術によっては尿道カテーテルやドレーン、血栓を防ぐための圧迫装置なども使われます。
- 気管チューブは目覚めるころには抜かれていることも多いですが、状態によっては残る場合があります。
- 麻酔から覚めた直後には、眠気やぼんやり感、寒気、のどの違和感、痛み、吐き気などを感じることもあります。
- 何がついているか、いつ外れるかは手術や体の状態によって異なります。
参考文献
- 抜管から術後早期までの安全な気道管理のための臨床(日本麻酔科学会)(診療ガイドライン、2026-03-03)
- 手順書:腹腔ドレーンの抜去(術後腹腔内ドレーン)|厚生労働省(手術後ドレーンの管理・抜去に関する手順)(公的資料)
- 手術直後から退院まで(手術当日〜退院)|国立がん研究センター(術後のモニター・器具の説明)(医療機関の患者向け案内)
- 一般の皆様 – 麻酔を受けられる方へ|公益社団法人 日本麻酔科学会(公的な患者向け情報)
- 排尿管理(尿道カテーテル)に関する説明(国立がん研究センター がん情報サービス)(公的な患者向け情報)








