ホーム / 治療中の暮らし / 治療中の食事・レシピ / 治療中のヴィーガン食、何を意識すればいい?

治療中のヴィーガン食、何を意識すればいい?

がん治療中のヴィーガン食、何を意識すればいい?

がん治療が始まっても、これまで続けてきたヴィーガンの食習慣を大切にしたい。その希望は、診察や栄養相談で伝えて大丈夫です。

治療中は食欲や体調が変わり、普段どおりに食べられない日もあります。大切なのは「ヴィーガンをやめるか、続けるか」の二択ではなく、今の食事量でエネルギーやたんぱく質を取れているか、植物性食品だけでは取りにくい栄養素をどう補っていくかを確かめることです。

まずは、食べる量とたんぱく源を確認する

治療中に食事量が減っているなら、最初に見たいのは、十分に食べられているか、体重が減っていないかです。野菜中心の献立でも、主食やたんぱく源が少ないと、必要なエネルギーを取りにくくなることがあります。

身近な植物性のたんぱく源には、豆腐、納豆、豆乳、豆類などがあります。ごはんや麺などの主食と組み合わせ、食べられる量に合わせて選びましょう。

  • ごはん+豆腐を使ったやわらかいおかず
  • 植物性のだしで作った、うどん+豆乳と野菜のスープ
  • トースト+ピーナッツバター、または豆のペースト
  • おかゆ+やわらかく煮た豆や豆腐

豆乳、ライスミルク、アーモンドミルクは、同じ「植物性ミルク」でも製品によってたんぱく質量が違います。たんぱく源として選ぶときは、名前だけで判断せず栄養表示を見てください。

ビタミンB12は、摂取源を別に確かめる

ビタミンB12は、通常の植物性食品だけから安定して取ることが難しい栄養素です。ヴィーガン食を続ける人は、B12を強化した食品やサプリメントなど、普段どこから取っているかを確認しておきましょう。

「豆や野菜を十分食べているからB12も大丈夫」とは考えられません。一方、サプリメントを自己判断で大量に増やす必要もありません。現在使っている製品や摂取量が気になるときは、製品の表示を持って治療先に相談できます。

鉄、カルシウム、ビタミンD、ヨウ素なども、食べている食品の種類によって確認したい栄養素です。すべてを血液検査だけで判断するのではなく、日頃の食事内容や体調も合わせて考えます。

海苔に含まれるビタミンB12については、摂取によってB12の状態が改善した小規模な研究があります。ただし、海藻の種類や製品によって含有量・利用しやすさは異なり、海苔だけで必要量を安定して補えるとはまだ言えません。普段のB12摂取源は、表示で含有量を確認できる強化食品なども含めて、管理栄養士と確認しましょう。

食べにくい日は、同じ食材でも形を変える

治療中は、口内炎、吐き気、味の変化、下痢などで、それまで好きだった食品が食べにくくなることがあります。「ヴィーガンとして理想的な献立」を守ることより、その日に食べられるものを探してみましょう。

口内炎で硬いものが痛む日は、やわらかい豆腐や、なめらかなポタージュが候補になります。熱いものや酸味がしみる場合もあるので、温度や味付けは自分の口の状態に合わせます。

豆類やナッツが食べにくい日は、無理に同じものを食べず、豆腐や豆乳など別の食品に替える方法もあります。食欲がない日は、一度にたくさん用意するより、食べられそうな時間に少量ずつ試す方が楽なこともあります。

飲み込みにくさや下痢がある場合は、単に「スムージーにすれば大丈夫」とは限りません。今の症状に合う食感や食品を、治療先で確認してください。

市販品を選ぶときに見るところ

調理が負担な日は、市販の植物性食品や栄養補助食品も選択肢です。「ヴィーガン対応」と書かれているかだけでなく、何を補いたくて使うのかに合わせて表示を見ます。

  • 食事量を補いたい:1食分のエネルギー量
  • たんぱく源を増やしたい:1食分のたんぱく質量
  • B12などを補いたい:強化されている栄養素と、その含有量

植物性の飲料やプロテインは、補いたいものに合わせて1回分のエネルギー量・たんぱく質量を確認しましょう。原材料やアレルギー表示も見て、まずは飲みやすいものを少量から試せます。

既にサプリメントや補助食品を使っている場合は、治療先に製品名を伝えておくと、栄養面だけでなく、薬との兼ね合いについても確認しやすくなります。

病院では、希望を最初に伝えていい

栄養相談を受けるときは、「私はヴィーガンです。治療中も、この食習慣を続けたいです」と伝えて大丈夫です。

続けて、普段食べているもの、最近の食事量と体重の変化、困っている症状、使っている強化食品やサプリメントを伝えると、具体的な相談がしやすくなります。

たとえば、「今の食事量でエネルギーとたんぱく質は足りていますか?」「B12はこの製品から取っていますが、ほかに確認した方がよいことはありますか?」と聞けます。

キャンエビのまとめ

  • 治療中もヴィーガン食を続けたいという希望は、診察や栄養相談で伝えて大丈夫です。
  • 食事量が減っているときは、まずエネルギー、たんぱく源、体重の変化を確認します。
  • ビタミンB12は通常の植物性食品だけに頼らず、強化食品やサプリメントなど、普段の摂取源を確かめましょう。
  • 口内炎や吐き気などで食べにくい日は、食品の種類、硬さ、温度を変えながら、その日に合うものを選べます。
  • 市販品は「植物性」という表示だけでなく、エネルギー・たんぱく質・強化栄養素を、使う目的に合わせて確認します。

参考文献

  1. がんと食事|国立がん研究センター がん情報サービス
  2. がん治療中にきちんと食事を取る|Memorial Sloan Kettering Cancer Center(日本語・ヴィーガン用献立例あり)
  3. The vegan diet|英国NHS
  4. がん患者診療のための栄養治療ガイドライン2024年版-総論編-|日本栄養治療学会
  5. ESPEN practical guideline: Clinical Nutrition in cancer
  6. 焼き海苔とビタミンB12の小規模試験(2024年)

広告

血圧も、歩数も、睡眠も
健康管理を腕時計ひとつに

医療機器認証を取得した血圧測定機能を搭載
毎日の健康記録を、スマートに

Category List