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治療中の家族が食欲がない場合、まず何を確認すればいい?

治療中の家族が食欲がない場合、まず何を確認すればいい?

治療中の家族が、いつもより食べなくなった。好きだった料理にも手をつけないと、心配になります。「何か食べてほしい」と思う一方で、何度も勧めてよいのか迷うこともあるでしょう。

食事が進まない理由は、「食欲がない」だけとは限りません。食べたい気持ちはあっても、味が違って感じたり、口が痛かったり、少し食べるだけでおなかが苦しくなったりすることがあります。疲れて食卓につくのがつらい日も、心配ごとで食べる気になれない日もあります。まずは料理を変える前に、本人にとって何がつらいのかを聞いてみましょう。

「食べたい?」だけでは分からないことがある

「何が食べたい?」と聞かれても、本人にも答えられないことがあります。食べたいものを思い浮かべられない場合もあれば、食べられると思ったものが、目の前に来ると受けつけられなくなる場合もあります。

落ち着いて話せるときに、こんなふうに聞いてみると、困っていることが少し見えてくるかもしれません。

「食べたい気持ちはあるけど、食べるとつらい感じ?」

「味やにおいが気になる? 口やおなかがつらい?」

「今日は食事の話をするのもしんどい?」

答えがはっきりしなければ、「今は分からない」も一つの答えとして受け止めてよいと思います。

食べたい気持ちはあるのに、食べられないとき

「おなかはすくけれど、食べ始めるとつらい」という場合は、食欲以外の困りごとがないかを聞いてみましょう。味やにおいの変化、口の痛み、吐き気、便秘やおなかの張り、飲み込みにくさなどによって、食事が進まないことがあります。

たとえば、料理のにおいがつらければ、本人に食べられそうな温度を聞く。口が痛ければ、しみる味や硬さを避けられるか考える。疲れているなら、食事の時間をずらす。工夫する前に「何がつらい?」と聞くことが、作る側にも食べる側にも役立ちます。

ただし、飲み込みにくい、むせる、痛みや吐き気が強いといった症状は、家庭で食べ物の形を変えるだけで済ませず、治療を受けている医療機関に伝えてください。

「食べなきゃ」と思うほど、食卓がつらくなることも

本人も、食べたほうがよいことは分かっているかもしれません。体重の変化を気にしていたり、作ってくれた人に申し訳なく思っていたりすることもあります。そこへ「もう少し食べられない?」と重なると、食事のたびに応えなければならない気持ちになるかもしれません。

家族が勧めるのは、心配だからです。その気持ちを押し込める必要はありません。ただ、食卓では食べた量を問い続けるより、本人が断ったり、あとで食べたりできる余地を残すほうがよい場合もあります。

「今は食べにくそうだね。あとで食べたくなったら言ってね」

「何か変えたほうが食べやすいかな。それとも今は、このままにしておく?」

食事のたびに病気や栄養の話をしなくても大丈夫です。いつもどおりの会話をしたい日も、静かに過ごしたい日もあるでしょう。

心配ごとや、気持ちの変化も聞いてみる

体の症状が見当たらなくても、「気持ちの問題だ」と決めつけることはできません。何が負担になっているか、本人にも分からないことがあります。

一方で、治療への不安、家族に心配をかけているという思い、食べられないことへの焦りなどが、食事の時間に重なることもあります。「最近、どんな感じ?」と聞き、話したそうなら耳を傾けてみてください。無理に理由を聞き出す必要はありません。

家族自身も、「作ったものを食べてもらえないのがつらい」「毎日心配で疲れてしまった」と感じることがあります。食事のことで困っているなら、通院先の看護師や管理栄養士に、家族から見た様子も伝えてみてください。心配や疲れを誰かに聞いてほしいときは、家族もがん相談支援センターに相談できます。

家族だけで原因を見つけようとしなくていい

食べられる量が減った状態が続く、体重が減っている、飲み物も取りにくい場合は、次の受診を待たずに治療を受けている医療機関へ相談してください。強い痛みや吐き気、飲み込むときのむせなども伝えたい症状です。連絡の目安について個別の指示を受けている場合は、その指示を優先します。

相談するときは、細かな食事記録を完成させなくても大丈夫です。「いつごろから」「以前と比べてどのくらい食べられているか」「本人は何がつらいと言っているか」を、分かる範囲で伝えましょう。

「食べたい気持ちはあるそうですが、数口でおなかが苦しくなるようです」

「食事量が減っています。本人も理由が分からず、食事の時間が負担になっています」

体の症状だけでなく、食べることへの不安や家族とのやり取りがつらくなっていることも、相談の材料になります。必要に応じて、管理栄養士や心のケアについて相談できる人につないでもらえます。

キャンエビのまとめ

  • 食事が進まないときは、「食欲がない」と決めつけず、食べたい気持ちと、食べるときのつらさを本人に聞いてみましょう。
  • 味やにおい、口やおなかの症状、疲れ、不安など、いくつものことが重なっている場合もあります。
  • 家族が心配で勧めたくなるのも自然です。本人が断れる余地を残し、家族のつらさも抱え込まないでください。
  • 食事や水分が十分に取れない状態、体重の減少、強い症状があるときは、家庭で工夫を続けるだけでなく医療機関に相談しましょう。

参考資料

  1. がんと食事|国立がん研究センター がん情報サービス
  2. 吐き気・嘔吐|国立がん研究センター がん情報サービス
  3. 心のケア|国立がん研究センター がん情報サービス

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