バランスの良い食事をすすめられたけど、バランスのよい食事って何?と感じる方もいるかもしれません。
食事は毎回完璧を目指す必要はありません。主食・主菜・副菜という“一食分の組み合わせ”を少し整えるだけで、エネルギーやたんぱく質、ビタミン・ミネラルを取りやすくなります。
この記事では、炭水化物・たんぱく質・脂質の役割を身近な食品でやさしく説明し、日常の献立をどう眺め直せばよいか、すぐ試せる例と工夫を示します。
最初に―バランスってどういうこと?
「バランスのよい食事」とは、食事全体で必要な栄養を無理なくまかなう見方です。主に三大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)と、体調を整えるビタミン・ミネラルを意識します。
治療で食欲や味が変わることはよくあります。毎回完璧にそろえる必要はなく、皿を一つ加える、具を増やすなど小さな工夫で不足を補えることが多いです。たとえば野菜はよく食べていても、魚・肉・卵・豆腐などのおかずは少なかった、と気づくことがあります。反対に、おかずは食べていても主食が少ない日もあります。「何かをもっと食べなくては」と考える前に、まず普段の食事の組み合わせを眺めてみましょう。
まずは三大栄養素の役割を身近な食品で知る
三大栄養素は体の働きにそれぞれ役割があります。食卓で見分けると、今何を優先すればよいかが分かります。
- 炭水化物(エネルギーのもと)— ごはん、パン、麺。動くための燃料になります。食欲が落ちたときはおかゆや雑炊など消化しやすい形が取りやすいです。
- たんぱく質(体の材料)— 魚、卵、豆腐、納豆、乳製品、肉。筋肉や体の修復に使われます。体重が減っていると感じるときは、主菜や副菜でたんぱく源を意識して足すとよいでしょう。
- 脂質(エネルギー密度と満足感)— 調理で使う油、魚の脂、バターやチーズ。少量で効率よくカロリーを補え、料理の満足感も上がります。
- 食品は複数の栄養を含むことが多い— たとえば卵にはたんぱく質だけでなく脂質やビタミンも含まれます。一つの皿でいくつかの役割を兼ねる点を活かしましょう。
ビタミン・ミネラルは『色と形』で取りやすく
ビタミンやミネラルは体の調子を整えます。野菜や果物、海藻、豆製品、乳製品に多く含まれます。
- 色のある野菜(緑・赤・黄色)を組み合わせると、必要な種類を取りやすくなります。毎回全色をそろえる必要はありません。
- 調理が負担な日は、冷凍野菜、カット野菜、具だくさんの味噌汁やスープで手軽に補えます。
主食・主菜・副菜で献立を眺める――すぐ使える具体例
毎食を「主食・主菜・副菜」の役割で見ると、何が足りないかが分かりやすくなります。以下は日常ですぐ試せる例です。
- 基本の見方:主食=ごはん・パン・麺など、主菜=魚・肉・卵・大豆製品などを使ったおかず、副菜=野菜・きのこ・海藻などを使ったおかず。果物や牛乳・乳製品は、それらとは別に取り入れられます。
- 例1(和食の一食)— ごはん(主食)+焼き魚(主菜)+ほうれん草のおひたし(副菜)。一皿ごとに複数の栄養が入り、揃いやすい組合せです。
- 例2(朝食)— ごはん+卵焼きや納豆(主菜)+野菜入りの味噌汁(副菜)。皿を三つ用意しなくても、組み合わせで考えられます。
- 例3(間食/軽食)— ヨーグルト+バナナ。手早くエネルギーとたんぱく質を補えます。
- 具だくさんの一皿(丼、スープ、リゾット)は、調理や食事の負担を減らしながら栄養をまとめて取るのに向いています。
ここだけ数字で示します(厚生労働省の目安)
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」には、1日にとるエネルギーを炭水化物・たんぱく質・脂質からどのような割合で得るか、一般的な目安が示されています。これは食事の重量や皿の面積の割合ではなく、エネルギーの割合です。
- 炭水化物:50〜65%
- たんぱく質:13〜20%
- 脂質:20〜30%
毎食この数字を計算する必要はありません。治療中に必要な量は、食事量や体重の変化、病状、個別の指示によって異なるため、「普段の食事が大きく偏っていないか」を知る参考として見てください。
食欲がない日や体重が減っているときの優先順位と小さな工夫
状況に応じて何を優先するかを変えましょう。ここでは数値計算をせず、日常で実行しやすい工夫を挙げます。
- 優先順位の目安:体重が減っている場合は、まずエネルギー(炭水化物+脂質)とたんぱく質を確保することを優先します。食欲がある日は、食品の種類を増やしてみましょう。
- 手軽な工夫例:ごはんに少量のバターやオイルを混ぜる、豆腐にツナや卵を合わせる、牛乳や豆乳をスープや飲み物に加える、といった方法でエネルギーやたんぱく質を増やせます。
- 形の工夫:具だくさんスープやリゾット、丼ものは噛む回数や調理の負担を減らしつつ複数の栄養を同時に取れます。嚥下に不安があるときは食感の調整が必要なので、専門家に相談してください。
すぐできるチェックポイント(計算はしない)
食事ごとの数字は追わず、次の簡単なチェックを目安にしましょう。週単位で見れば、一回の欠けは取り戻せます。
- 食事を眺めるとき:主食はある? 魚・肉・卵・豆腐などのおかずはある? 野菜などを使った料理はある? 足りなさそうなものがあれば、次の食事や間食で取り入れられるか考えてみましょう。
- 一食で全部そろわなくても大丈夫。ただし、食べる量が少ない日が続く、体重が減ってきたといった場合は、週末まで様子を見るのではなく、担当の医師や管理栄養士に相談してください。
- 『今日はこれだけでいい』と自分に許可することで、続けやすくなります。
キャンエビのまとめ
- 毎回完璧を目指す必要はなく、主食・主菜・副菜の組み合わせを少し整えるだけで栄養が取りやすくなる。
- 三大栄養素の役割(炭水化物=エネルギー、たんぱく質=材料、脂質=満足感)を知ると、今日何を優先するかが見えてくる。
- 炭水化物・たんぱく質・脂質の割合には一般的な目安があります。ただし、食事のたびに計算する数字ではなく、治療中の必要量は体調や病状によって変わります。
- 食欲がない日はエネルギーとたんぱく質を小さな工夫で補え、具だくさんの一皿を活用すると負担が減る。
ご注意:味覚障害、嚥下障害、著しい体重減少や強い吐き気がある場合は、主治医や管理栄養士に食形態や優先順位を相談してください。
参考文献
- 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(公的資料)
- 食事バランスガイド(基本編)(公的資料)
- 「主食・主菜・副菜」を基本とする説明(厚生労働省ページ)(公的資料)








