がんになって周囲を見渡しても、同年代の患者がほとんどいない。患者会を探してみたけれど、自分よりずっと年上の人が多かった。AYA世代でがんを経験すると、そんな状況になることがあります。
AYAとは「Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)」の略で、がん医療では一般に15歳から30歳代の世代を指します。進学、就職、仕事、恋愛、結婚、妊娠・出産、子育てなど生活が大きく変化する年代でもあり、「同じくらいの年齢で、同じような経験をした人と話してみたい」と思うこともあるかもしれません。
AYA世代を対象にした患者会やオンライン交流会は全国にあります。直接会って話すだけでなく、オンラインで参加したり、体験談を読むだけというつながり方もあります。
AYA世代向けの患者会・交流会を探してみる
AYA世代を対象にした患者会の中には、地域を問わず参加できるものや、オンライン交流会を開催している団体があります。
全国の患者会を探すときに便利なのが、厚生労働科学研究の成果として作られた「AYA世代のがんとくらしサポート」です。「他の人と出会う・つながる」のページでは、AYA世代が参加できる患者会を、活動地域や年齢、がんの種類などから探すことができます。
全国からオンラインで参加できる団体もあれば、特定の地域で対面の交流会を開催している団体、女性限定、特定のがんを経験した人を対象にした団体など、活動内容はさまざまです。
自分の地域にAYA世代向けの患者会があるか分からない場合は、まずこの一覧から探してみると見つけやすいでしょう。
オンラインなら、住んでいる場所に関係なく参加できる
近くにAYA世代の患者会がない場合でも、オンライン交流会なら全国から参加できるものがあります。
体調によって外出が難しいときや、地方に住んでいて対面の集まりに参加しにくいときにも利用できます。また、団体によっては顔を出さずに参加できたり、本名ではなくニックネームなどで参加できたりする場合もあります。
いきなり大勢の人と話すのはちょっと緊張する、という人は、団体のSNSやWebサイトを眺めて雰囲気を知ってから交流会に参加する方法もあります。
通院している病院で探す方法もある
AYA世代向けの支援チームや相談窓口を設けている病院もあります。また、AYA専門の窓口がなくても、がん相談支援センターで患者会や交流会について相談できます。
がん相談支援センターは、全国の「がん診療連携拠点病院」などに設置されている相談窓口です。その病院に通院していなくても利用でき、相談は無料です。
「同じくらいの年齢の患者と話せる場所はありますか」「AYA世代の患者会を探しています」と伝えると、院内や地域で利用できる交流の場について情報を得られることがあります。
東京都のように、AYA世代を対象にした専用の相談窓口を設けている自治体もあります。住んでいる地域で「AYA がん 相談」「AYA 患者会」などと検索してみるのも一つの探し方です。
まだ誰かと話したくないなら、体験談を読むだけでも
「同世代の人がどうしているのかは知りたい。でも、患者会に参加して自分のことを話すのはまだちょっと……」ということもあります。
そんなときは、AYA世代の体験談を読むところから始める方法もあります。
「AYA世代のがんとくらしサポート」には、若くしてがんを経験した人たちの体験談が多数掲載されています。がんの種類だけでなく、がんを経験した年齢や現在の年齢、「学校・仕事」「恋愛」「妊孕性」「家族との関係」といったテーマから探すこともできます。
交流会に参加しなくても、自分と近い年代や状況の人がどんなことを経験し、どう暮らしているのかを知ることができます。
SNSで同世代を探す人もいる
XやInstagram、ThreadsなどのSNSで、同年代のがん患者とつながる人もいます。患者会より気軽に始められ、自分と同じがんや治療を経験している人を見つけやすいのがSNSの特徴です。
一方、SNSには個人の体験談と医学的な情報が混在しています。また、健康食品や高額な自由診療などへ誘導するアカウントが入り込むこともあります。
誰かと交流する場所としてSNSを使うことと、そこで流れてきた医療情報を治療判断に使うことは分けて考えた方がよさそうです。
「同世代とつながる」にもいろいろある
AYA世代の患者会といっても、参加の仕方は一つではありません。
直接会って話したい人もいれば、オンラインの方が気楽な人もいます。SNSで数人とゆるくつながる方が合う人もいれば、今は誰とも話さず、同年代の体験談を読むだけで十分という人もいるでしょう。
患者会に参加したからといって、自分の経験を詳しく話さなければならないわけでもありません。気になる団体があれば、まずWebサイトやSNSで活動内容を見て、自分に合いそうか確認するところから始められます。
キャンエビのまとめ
AYA世代のがん患者が同年代とつながれる場所は、思っているよりいろいろあります。
- AYA世代向けの患者会・交流会
- 全国から参加できるオンライン交流会
- 病院のAYA支援や、がん相談支援センター
- XやInstagramなどのSNS
- AYA世代の体験談サイト
近くに同年代の患者がいなくても、オンラインまで広げると見つかる可能性があります。
そして、「つながる」は必ずしも誰かと直接話すことだけではありません。同年代の人の体験談を読むだけでも、「こんな経験をしている人がほかにもいるんだ」と知るきっかけになります。
今すぐ誰かと話したい人も、まだそこまではしたくない人も、自分に合う距離感から探してみてください。
参考文献
- AYA世代の方へ(15歳から30歳代)(公的な患者向け情報)
- 令和4年(2022) 厚生労働省第82回がん対策推進協議会 小児がん・AYA世代のがんの現状と課題(資料)(公的資料)
- AYA世代(思春期・若年成人)と希少がん|国立がん研究センター 希少がんセンター(医療機関の患者向け案内)
- AYA世代がん相談情報センター(公的資料)
- 他の人と出会う・つながる|AYA世代のがんとくらしサポート(UMIN AYAプラザ)(医療者監修サイト)








