抗がん剤で髪が抜けることになった。でも「医療用ウィッグ」について調べてみると、女性向けの情報ばかり――そんなこともあります。
男性の短髪は、生え際やもみあげ、襟足などが見えやすいため、ウィッグを選ぶときにも少し違ったポイントがあります。一方で、仕事や普段の服装によっては、ウィッグを使わず短髪や帽子で過ごすのもひとつの方法です。
まずは「ウィッグを買わなければ」と決めず、自分がどんなふうに過ごしたいかから考えてみましょう。
短髪のウィッグは「境目」がポイント
男性用ウィッグを試着するときに見ておきたいのが、生え際、もみあげ、襟足、つむじ、そして全体の毛量です。
短い髪型は顔まわりや首まわりが見えやすいため、ほんの少し長さや毛量が違うだけでも印象が変わります。正面だけを見て決めず、横や後ろからも確認してみましょう。
既製品をそのまま使うより、顔や頭の形に合わせてカットや毛量調整をしてもらうことで、ぐっとなじむこともあります。購入するときは、購入後のカットや調整に対応しているか確認してみるのもおすすめです。
元の髪型に近づけたいなら、写真を見せてみる
「治療前とできるだけ同じ髪型にしたい」という場合は、以前の自分の写真が役立ちます。
わざわざウィッグ用に写真を撮っておかなくても、スマホに入っている普段の写真で十分です。「このくらいの長さ」「前髪はこんな感じ」「いつもこの方向に流していた」と見せれば、言葉だけで説明するより伝わりやすくなります。
逆に、せっかくなら今までと違う髪型にしてみたい、という選び方でももちろんOKです。
人毛・人工毛・ミックス、どれがいい?
男性用の医療用ウィッグにも、人毛、人工毛、人毛と人工毛を組み合わせたミックスがあります。
人毛は自然な質感やスタイリングの自由度が魅力ですが、その分、洗った後のセットなどに手間がかかる傾向があります。人工毛はスタイルを保ちやすく、毎日の手入れを簡単にしやすいのが特徴。ミックスは、その両方のバランスを取りたい人の選択肢になります。
「人毛だから一番自然」「高いものほどいい」とは限りません。毎朝仕事に行くために使うなら、かぶって少し整えるだけで出かけられることも大事な性能です。
素材について詳しくは、キャンエビの「人毛・人工毛・ミックス、医療用ウィッグはどれを選べばいい?」でも紹介しています。
仕事で使うなら「毎朝使えるか」も考える
仕事中にウィッグを使いたい人は、試着したときの見た目だけでなく、毎朝使う場面も想像してみましょう。
朝の準備にどのくらい手間をかけられるか、長時間つけていて苦しくないか、蒸れや重さが気にならないか。毎日使うものなら、「一番自然に見えたもの」より「これなら無理なく毎日使えそう」と思えるものの方が結果的に使いやすいこともあります。
職場でこれまでとあまり印象を変えたくないなら、治療前の髪型に近いものを選ぶ方法もあります。一方で、服装や髪型の自由度が高い職場なら、必ずしもウィッグにこだわる必要はありません。
ウィッグを使わない、という選択肢もある
抗がん剤で脱毛したからといって、必ずウィッグを使わなければならないわけではありません。
男性の場合は職種や普段の服装によって、髪を短く整えてそのまま過ごしたり、キャップやニット帽を合わせたりする方法もあります。帽子は脱毛を「隠すため」だけではなく、服装に合わせればファッションの一部にもなります。
仕事ではウィッグ、休日はキャップ。外出するときだけ帽子を使い、自宅では何もかぶらない。そんな使い分けでもOKです。
治療前と見た目をあまり変えたくない人にはウィッグが便利ですし、ウィッグを使わない方が自分らしいと感じるなら、それもひとつの選択肢です。
病院で実物を見られることも
「男性用ウィッグってどんなもの?」とまだイメージできない場合は、通院している病院で聞いてみるのもひとつの方法です。病院によっては医療用ウィッグの見本を置いていることがあります。
「男性用のウィッグの見本はありますか?」くらいの聞き方で十分です。実際の毛質や重さを見るだけでも、自分がウィッグを使いたいのか、帽子など別の方法が合いそうなのか考えやすくなります。
専門店に行く場合も、いきなり購入を決めず、いくつか試着してみてください。生え際だけでなく、横や後ろからの見え方、もみあげや襟足、つけ心地なども確認してみましょう。
キャンエビのまとめ
- 男性の短髪ウィッグでは、生え際・もみあげ・襟足・つむじ・毛量が自然に見えるか確認してみましょう。
- 元の髪型に近づけたいなら、スマホに残っている治療前の写真を見せると伝わりやすくなります。
- 人毛・人工毛・ミックスにはそれぞれ特徴があり、「人毛が一番」とは限りません。
- 仕事などで毎日使うなら、自然さだけでなく手入れのしやすさやつけ心地も大切です。
- ウィッグを使わず、短髪やキャップ、ニット帽などで過ごすのも選択肢です。
- 病院に医療用ウィッグの見本が置かれていることもあるので、まず実物を見てから考えても大丈夫です。
ウィッグを使うかどうかも、どんな髪型を選ぶかも、正解はひとつではありません。「治療中だからこうしなければ」ではなく、仕事や普段の服装、自分の好みに合わせて、一番過ごしやすい方法を選んでみてください。
参考資料
- 国立がん研究センター がん情報サービス「アピアランスケア」
がん治療による外見の変化への対処や、ウィッグなどを選ぶ際の基本情報。 - 国立がん研究センター がん情報サービス「脱毛」
がん治療に伴う脱毛と、ウィッグ・帽子などを含む日常生活での対処について紹介。 - がん研有明病院「脱毛する治療ですと言われたら」
治療による脱毛への準備や、男性向けのアピアランスケア情報を紹介。 - がん研有明病院「アピアランスケアコーナー」
ウィッグなどの展示・試着を含む外見ケア支援について紹介。








