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がん治療が始まる前、家族や友人に何を頼んでおく?

がん治療が始まる前、家族や友人に何を頼んでおく?

「何かあったら言ってね」
がんと診断されたことを伝えたとき、家族や友人からこんな言葉をかけてもらうことがあります。ありがたいけれど、治療が始まる前は自分でも何が大変になるのか分からず、何をお願いすればいいのか思いつかないかもしれません。

実際、がん治療中の体調は人によってさまざまです。普段どおりに仕事や家事を続けられる人もいれば、通院の翌日は疲れて動きにくくなる人もいます。同じ人でも、治療の時期によって必要な手助けが変わることがあります。

だからこそ、最初から家族や友人に何もかもお願いする必要はありません。まずは「こんなとき、少し手伝ってもらえる?」と相談しておくだけでも十分です。治療が始まる前に考えておきたい、身近な人への頼みごとを紹介します。

通院の送迎や付き添いをお願いする

治療が始まると、検査や診察、点滴などで病院へ通う機会が増えることがあります。通院そのものは一人でできても、治療後に疲れが出たり、帰りの荷物が重く感じられたりする日があるかもしれません。

まず考えておきたいのは、通院の行き帰りです。家族や友人に毎回送迎してもらう必要はありませんが、体調が悪いときや長時間の治療がある日だけ、お願いできる人がいると助かることがあります。

例えば、「来月から通院が始まるんだけど、帰りに疲れてしまったら迎えをお願いしてもいい?」という頼み方でもよいでしょう。予定が分かっているなら、「初回の治療だけ、一緒に来てもらえる?」と具体的に相談する方法もあります。

病院への付き添いは、移動のためだけではありません。診察で医師の説明を一緒に聞いてもらったり、聞き忘れたことを後で確認したりする助けにもなります。特に治療方針の説明など、聞くことが多い診察では、信頼できる人に同席してもらう選択肢があります。

初めての治療では、終わった後の体調が予想しにくいこともあります。帰りの移動が心配なら、最初の一回だけ送迎をお願いしておくのもよいでしょう。

買い物や食事の準備を手伝ってもらう

体調がすぐれない日に意外と負担になるのが、毎日の買い物や食事の準備です。食材を買いに行く、献立を考える、調理して片付ける。元気なときには当たり前にできていたことも、疲れている日には面倒に感じるかもしれません。

同居している家族がいるなら、治療中は買い物や夕食作りを担当してもらう、食器洗いだけお願いするなど、普段の家事分担を見直しておく方法があります。

別々に暮らしている家族や友人には、通院の帰りに一緒に買い物をしてもらったり、体調が悪いときに必要なものを届けてもらったりすることも考えられます。近くに住んでいなくても、ネットスーパーの注文を手伝ってもらうなど、離れた場所からできるサポートもあります。

ただし、抗がん剤治療中には、吐き気や味覚の変化、食欲の低下などが起こる場合があります。食べられるものが日によって変わることもあるため、治療前から大量の作り置きを用意してもらう必要はありません。

食事を手伝ってもらう場合は、そのとき食べられそうなものを相談しながら決めるとよいでしょう。ネットスーパーや食品の宅配、冷凍食品などを組み合わせるのも一つの方法です。

掃除や洗濯など、毎日の家事を分担する

掃除、洗濯、ゴミ出し、布団の上げ下ろし。家事の中には、体力が必要なものや、決まった曜日にしなければならないものがあります。

治療が始まる前に、普段自分が担当している家事を一度見直してみると、頼みたいことが見えてくるかもしれません。

治療中は、掃除や洗濯など、体力を使う家事が負担になることもあります。同居する家族がいれば分担を見直したり、近くに住む家族や友人が訪ねてくれる際に、重いものの移動や布団の交換などを手伝ってもらったりする方法があります。

また、家事をすべて今までどおりに続ける必要はありません。掃除の回数を減らしたり、便利な家電や家事代行サービスを利用したりするのも一つの方法です。

子どもやペットの世話をお願いする

子どもやペットと暮らしている場合は、通院や入院で家を空けるときのことも考えておきたいところです。

子どもがいる家庭では、学校や保育園への送迎、食事の準備、習い事への付き添いなど、普段の生活を誰が担当するか相談しておくとよいでしょう。急な入院や予定変更に備えて、頼れる家族や知人の連絡先を確認しておく方法もあります。

ペットの場合は、食事やトイレの世話、散歩、動物病院への通院などが考えられます。「もし数日入院することになったら、猫のごはんをお願いできる?」と、あらかじめ聞いておくと安心です。

実際に預けることになったときのために、食事の量やアレルギー、かかりつけの病院、緊急連絡先などをメモしておくと、世話をする人も困りにくくなります。

ただし、子どもやペットの世話は責任のある頼みごとです。相手が対応できる日程や範囲を確認し、難しい場合に備えて、自治体の子育て支援や一時預かり、ペットシッターなどのサービスも調べておくと選択肢が広がります。

話を聞いてもらうことも、立派な頼みごと

家族や友人に頼めることは、家事や送迎だけではありません。

治療が始まる前は、検査結果やこれからの生活が気になって、誰かと話したくなることもあるでしょう。一方で、心配をかけたくなくて、なかなか話を切り出せない人もいるかもしれません。

そんなときは、「今度、少し話を聞いてもらってもいい?」「特にアドバイスがほしいわけじゃないんだけど、ちょっと話したい」と伝える方法もあります。

逆に、病気の話ばかりしたくない日もあるでしょう。「いつもどおりお茶に付き合ってほしい」「たまには映画の話でもしよう」というお願いも、もちろんありです。

家族や友人が心配して、いろいろな情報や助言を送ってくれることもあります。でも、それが負担になるなら、「治療については先生と相談しているから、今は普通に話してくれるとうれしい」と伝えてもかまいません。

必要な支え方は人それぞれです。病気のことを話す時間も、病気を忘れて過ごす時間も、どちらも大切にしてよいのです。

緊急時の連絡先を決めておく

治療中に急な体調の変化があった場合、誰に連絡するかを考えておくことも役立ちます。

例えば、急に病院を受診することになったとき、家族や友人に送迎や荷物の準備をお願いする可能性があります。一人暮らしの場合は、必要なときに連絡できる人を一人か二人決めておく方法もあります。

「治療中に急に具合が悪くなったら、連絡することがあるかもしれない。そのとき、対応できる範囲で助けてもらえる?」と相談しておけば、相手も心構えができます。

ただし、発熱や息苦しさ、強い痛みなどが起きた場合は、家族や友人への連絡よりも、病院から指示されている対応を優先してください。 緊急時の連絡先や受診の目安は、治療開始時に医療機関へ確認しておきましょう。

「何かあったら言ってね」と言われたら?

家族や友人から「何かあったら言ってね」と声をかけてもらっても、いざ頼むとなると遠慮してしまうことがあります。

そんなときは、最初から大きなお願いをする必要はありません。相手が引き受けやすい、具体的なことから相談してみましょう。

例えば、こんな言い方ができます。

  • 「治療の日、帰りだけ車で迎えに来てもらえる?」
  • 「買い物に行くとき、重いものを一緒に買ってきてもらえるとうれしい」
  • 「入院することになったら、猫の様子を見に来てもらえる?」
  • 「今は特に困っていないけど、必要になったら相談してもいい?」

頼むときに、毎回「申し訳ない」と思う必要はありません。もちろん、相手にも仕事や家庭の事情があるので、できることと難しいことがあるでしょう。お互いの都合を話しながら、無理のない方法を見つけていけばよいのです。

また、頼みごとを一人に集中させず、送迎は家族、買い物は友人、家事は宅配や外部サービスなど、分けて考える方法もあります。

近くに頼れる人がいない場合は?

一人暮らしだったり、家族が遠方に住んでいたり、身近な人に頼りにくい事情があったりする人もいます。そうした場合でも、家族や友人以外の支援を探すことができます。

買い物や食事にはネットスーパー、食事宅配、家事には家事代行サービスなどがあります。自治体によっては、子育て支援や生活支援の制度を利用できる場合もあります。

また、病院のがん相談支援センターでは、治療中の暮らしや利用できる制度について相談できます。必要なサービスをすべて紹介してもらえるとは限りませんが、地域の相談窓口や支援制度を探す際の相談先になります。

経済的な負担が気になる場合も、使える制度がないか相談してみましょう。

治療が始まってから、思いがけないことで助けが必要になるかもしれません。反対に、心配していたほど生活が変わらないこともあります。今の段階では、必要になったときに相談できる相手やサービスをいくつか考えておくだけでもよいでしょう。

キャンエビのまとめ

  • 治療中に必要な手助けは人によって異なるため、始まる前からすべて決める必要はない
  • 通院の送迎や付き添い、買い物、食事、家事など、具体的な用事を頼むと相談しやすい
  • 子どもやペットがいる場合は、通院や入院で家を空けるときの世話を考えておくとよい
  • 家事だけでなく、話を聞いてもらうことや、普段どおり一緒に過ごすことも頼んでよい
  • 急な体調変化に備え、病院への連絡方法と、必要なときに頼れる人を確認しておく
  • 近くに頼れる人がいない場合は、宅配や家事支援、がん相談支援センターなども選択肢になる

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